ネットでの誹謗中傷!名誉毀損と侮辱罪とプライバシー侵害の違い

インターネットを利用している場合、不用意に発言をすると相手方から「名誉毀損」の誹謗中傷と受け止められて刑事告訴などをされてしまうおそれがあります。

インターネットは匿名性が強いので、中には誹謗中傷や名誉毀損を意図的に行う人もいます。自分の名前で検索したら、自分が誹謗中傷されていたという経験をした人もいると思いますが、万が一の時のために、まずは誹謗中傷対策の一環として、知識をしっかりと身に付けておくことが重要です。

このことを知らないと、自分が気づかないうちに問題発言をしてしまうおそれもあります。

そこで今回は、ネット名誉毀損罪に当てはまるとは、どのような発言で、どんな場合にどんな責任が発生するのかを解説します。

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1. ネット誹謗中傷と表現の自由のバランス

ネット上での発言は、基本的に自由であるべきです。それは、表現の自由が憲法上保障されている以上当然のことです。

しかし、ネット誹謗中傷を受ける人の利益も守る必要があります。
このように、ネット上の発言においては、表現の自由と被害者の利益のどちらを優先するのかが問題になります。
法律は、さまざまな犯罪類型や法的責任を定めることによって、両者の調整を図っています。
以下では、ケース別にネット誹謗中傷によって法的責任が発生する場合を解説します。

2.  名誉毀損とは?刑法230条と民法709条と民法723条

ネット誹謗中傷が行われると、名誉毀損罪が成立することがあります。

名誉毀損とは、事実を摘示することによって相手の社会的評価を低下させることです。

たとえば典型的なものが、虚偽の事実を提示して相手をおとしめる行為です。

たとえば、

  • 「○○は会社のお金を使い込んでいる。」
  • 「○○は犯罪者だ。」
  • 「○○は、××と不倫している」

などの書き込みが例として挙げられます。

このような事実無根の内容をネット上に投稿すると、その内容が不特定多数の人に公開されてしまいます。
そこでこのような問題行為を名誉毀損として規制することで、法律は被害者の利益を守っています。

名誉毀損罪は、刑法230条に規定されている犯罪です。名誉毀損罪が成立する場合には、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金刑に科されるおそれがあります。

また、ネット誹謗中傷行為によって名誉毀損が成立する場合には、刑事的のみならず民事的な責任も発生します。
この場合、書き込んだ人は対象者に対して損害賠償責任を負うので、慰謝料などを支払わなければなりません(民法709条)。さらに、名誉回復のための措置をとる必要が発生することもあります(民法723条)。

3. 名誉毀損の構成要件(事実の書き込みでも名誉毀損になる)

相手方をおとしめる事実の書き込みは、その内容が真実であっても問題になります。

たとえば、先に挙げた例で「あいつは前科者だ」とネット掲示板上に書き込んだ場合、それが事実であっても名誉毀損が成立する可能性があります

名誉毀損行為は、それが相手の社会的評価を低下させるものである限り、内容が真実であるかどうかは基本的に問題にならないからです。”人の名誉を棄損=人の社会的評価を低下させる”ものかどうかについては、問題になります。人の社会的評価を低下させるかどうかについては、客観的に判断されます。

たとえば、相手が特定されていない書き込みについて、「この書き込みは自分のことだと思う」などと思い込みによっては名誉毀損にならないし、「ぼくとあの人とは仲が良くないです」と書かれていたことを不快に感じたとしても、それだけで名誉毀損にはならないでしょう。つまり、単に自尊心を傷つけられたというだけでは、名誉毀損罪に問うことは難しいのです。

また、書き込み内容や発言等が公共の利害に関する事実にかかるものであって、書き込みの目的が専ら公益目的であり、かつ真実性の立証があった場合には、例外的に名誉毀損が成立しないとされています(刑法230条の2)。

たとえば、対象者が政治家や有名人などであり、書き込みの目的が公益目的であった場合などには、その内容が真実であれば名誉毀損罪が成立しない可能性があります。

3-1. 名誉毀損罪における免責

名誉毀損罪の構成要件に該当する場合でも、次の3つの条件をすべて満たす場合は、免責されるということは覚えておきましょう。

  • 公共の利害に関する事実にかかわるものであること
  • 専ら公益を図る目的があること
  • 真実であると証明されるか、真実であると信ずるについて相当の理由があること

3-2. 名誉毀損罪にも時効は3年!名誉毀損は親告罪

名誉毀損罪の公訴時効(一定の期間を過ぎると起訴することができなくなること)は3年間です。公訴時効にかかる期間は、犯罪行為が終わった時から起算されます。

書き込みから3年が経過すると、もはや警察に相談に行っても動いてもらうことができません。

公訴時効にかかる期間と、民法上の不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効にかかる期間は異なります。

損害賠償請求権の消滅時効は、加害者を知った時から3年間か不法行為の時から20年間のいずれか早いほうに成立し、公訴時効よりも成立までに時間があります。

刑事告訴ができなくても、民事裁判による損害賠償もできるので、忘れないでおきましょう。

また、犯罪には親告罪と言って、警察が動くために必ず告訴状が必要になるタイプの犯罪があります。ネット誹謗中傷でよく問題になる名誉毀損罪も親告罪なので、名誉毀損によって相手を逮捕してもらうためには、被害届ではなく告訴状を提出する必要があります。

4. 侮辱罪が成立する場合(刑法231条)→相手を罵倒する行為

インターネット上の誹謗中傷行為は、事実を提示して相手方をおとしめるケースには限られません。
事実を摘示しないで相手方を侮辱する発言をした場合にも法的責任が発生します。

この場合には、刑法上の侮辱罪が成立します

4-1. 名誉毀損罪(刑法230条)と侮辱罪(刑法231条)との違い

インターネットなどでよく問題になっている誹謗中傷に対して刑事上の責任を追及する場合、ここで考えられる罪となるのは名誉毀損罪と侮辱罪の二つとなります。

名誉毀損罪とは刑法230条に規定されている罪であり、ここの第1項では

「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者はその事実の有無にかかわらず3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金に処する」
とあります。なお、「事実を摘示し」の「事実」は、「その事実の有無にかかわらず」とあるように、内容の真偽は問いません。

噛み砕いて言うと名誉毀損罪とは不特定多数の人が認識出来る場所で他人の社会的評価を損なったり、損なう可能性のある具体的な事柄を文章や口頭で示すことによって成立する罪であり、その罪に対しては懲役か罰金が下るということです。

次に侮辱罪とは刑法231条において定められる罪で、こちらは

「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱したものは拘留または科料に処する」
と規定されています。

名誉毀損罪と侮辱罪との違いは、名誉毀損が事実の摘示であることに対し、侮辱罪では事実を摘示しないという点です。
たとえば、相手をむやみに汚い言葉で罵倒する行為で、「あいつは馬鹿だ」とか「あいつは醜い顔をしている」、などの発言が考えられます。

よく子供のうちはこのような言葉を使うこともあるでしょうが、このまま改善できずに大人になると、インターネット上で侮辱行為を行い、犯罪になることもあるので注意しましょう。

「Aさんは浮気性だ」という書き込みも侮辱罪になります。浮気性というのが事実かどうかというのは実態をみていなくてはなりませんから、これでは名誉毀損罪が成立できないのです。

しかし個人名を出して浮気性だと言いふらしていることは事実ですから、この場合は侮辱罪が適用される可能性が高くなります。

侮辱罪も犯罪なので、軽い気持ちでこのような発言をすると、対象者から刑事告訴されて逮捕されるおそれなどもあるので注意しましょう。
侮辱罪が成立する場合には拘留または科料の制裁が科されます。

5. 信用毀損罪、業務妨害罪が成立する場合(刑法233条)

ネット上で誹謗中傷を行った場合、刑法上の信用毀損罪や業務妨害罪が成立する可能性もあります。
信用毀損罪とは、虚偽の情報や噂などを流して、他者の信用を毀損した場合に成立する犯罪です。この場合の信用は、対象者の支払能力に関する信用をはじめとして、広く対象者の経済的な面における社会的評価を意味します。

たとえば、店が販売している商品の品質についての社会的信頼も、信用毀損罪において守られるべき利益と考えられています。

業務妨害罪とは、他人の営業行為を妨害する行為ですが、ネット誹謗中傷が問題になるのは、業務妨害罪の中でも偽計業務妨害罪です。

偽計業務妨害罪とは、虚偽の情報や噂などを流して他人の営業を妨害する行為です。

これに対して、威力を用いて業務妨害をする場合には威力業務妨害罪となります。
たとえば、これらの犯罪は、スーパーや商店などの悪い噂を故意に流して、店の営業を妨害した場合などに成立します。
たとえば「あの店で買ったパンには異物が混じっていた」などという虚偽の事実をネット上に書き込むと、信用毀損罪や業務妨害罪が成立する可能性があります。
信用毀損罪や業務妨害罪が成立する場合には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑に科される可能性があります。

6. プライバシー侵害と名誉毀損との違い

ネット上での書き込みが問題になるのは、名誉毀損や侮辱罪などの刑事責任が発生する場面だけではありません。
投稿内容が対象者のプライバシー侵害となる場合にも、投稿者に法的な責任が発生します。
この場合には、刑事上の責任は発生しなくても、民事的な責任が発生します。

具体的には、不法行為が成立して、損害賠償責任を負う事になります(民法709条)。

プライバシー侵害の場合には、投稿する内容が真実であっても法的責任が発生します。むしろ、真実である方が、情報を公開された被害者にとってはダメージが大きくなってしまいます。
プライバシー侵害行為を行うと、被害者から慰謝料請求をされますし、支払をしないでいると、民事訴訟を起こされて裁判所から支払い命令の判決を出されてしまうおそれもあります。
たとえば「あの人は私生児だ」などと言った場合でも、プライバシー権侵害の書き込みと評価されてしまうおそれがあるので注意が必要です。

プライバシー保護法に違反しているのですが、インターネット上に個人情報が公開されてしまうと、あっという間に広がってしまい、なりすましや詐欺などの被害を受けてしまうことがあります。ある意味侮辱や名誉毀損よりも酷い行為なので、本来であれば真っ先に対策を練らなければいけません。

一方、名誉毀損とは、社会的に会社や個人などが得ている地位、名誉、評判などが傷つけられることを指します。プライバシー権侵害と同様大きな問題になりますが、名誉毀損の場合、事実無根であることを証明すれば、名誉が回復しますが、プライバシー権侵害の場合、真実が一度ネットにさらされてしまう拡散され、名誉の回復は難しく被害は残ってしまうのです。

このようにネット誹謗中傷対策を行うためには、どのような行為が誹謗中傷になるのかを知っておく必要があります。

【参考】個人情報削除依頼!名誉毀損とプライバシー侵害のネット誹謗中傷対策

7. 表現の自由の権利とのバランス。どのような書き込みが罪になるのか?

特に近年では芸能人の不祥事、公務員の不祥事、政治家の不祥事、マスコミの不祥事が多くなっているので、インターネット上ではかなり多数の言論が飛び交っています。

twitterをはじめ、個人の見解を表現しやすくなった半面、知らないうちに、一般の方に傷を与えていることがあるのです。

ネット上で書き込みをする場合、どこまでが許されてどこから法的責任が発生するのかという判断が非常に難しいです。
同じ書き込みであっても、人によって受け止め方が異なる場合もあります。

ただ、一般的に「人が通常指摘されて嫌な気持ちになる事実や内容」を投稿すると、何らかの問題が発生すると考えると良いでしょう。

自分としては問題がないと考えていても、一般的な社会通念に照らすと問題があるという発言の場合には、法的責任が発生するおそれが高いです。

刑事責任が発生すると逮捕・起訴されて有罪になる可能性がありますし、民事責任が発生すると損害賠償などが必要になって多大な負担が発生します。
ネット上で発言をする場合には、不用意な発言をしないように細心の注意を払うことが大切です。

今回は、ネット誹謗中傷がどのようなケースで問題になるのかについて解説しました。

ネット上の誹謗中傷発言があると、名誉毀損罪や侮辱罪、信用毀損罪や業務妨害罪などの犯罪が成立してしまうことがあります。また、名誉毀損やプライバシー権侵害が原因で損害賠償(慰謝料)責任が発生することもあります。

自分では気づかない間に他人の権利侵害をしてしまっていることもあるので、ネット上で発言する場合には、不用意な発言をしないようにくれぐれも注意しましょう。

【参考】

8. 「ネット誹謗中傷」で”訴えたい”、”訴えられた”ならネットに強い弁護士相談

日本は、表現の自由が憲法で保障されています。

「表現の自由」 とは、日本国憲法第3章 「国民の権利及び義務」 の第21条によって保障された、日本国民全てが持っている基本的人権のひとつです。日本国に住む日本人はこの権利を持ち、また国から一切の侵害をされず、誰でもが平等に享受できるとうたわれています。

日本国憲法第21条

1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

インターネットで発生する誹謗中傷も内容によっては刑事事件になるわけですが、やみくもに取り締まることができるわけではありません。

どこまでが国民の権利の範囲なのか?どこからが、犯罪や刑事罰に含まれるのか?弁護士に相談しながら今後の対応を考える必要があります。

法律相談をうけられるのは、弁護士しか行えません。まずは、自分のネット上で受けた、名誉毀損、侮辱、誹謗中傷による権利侵害が法律違反に入るのか?、被害の状況を弁護士にご相談ください。ネットに強い弁護士は、親身になって相談にのってくれるでしょう。


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